ある将軍についての逸話があります。
その将軍は戦場で、圧倒的な数に勝る敵軍と対峙し戦わなければなりませんでした。
どう考えても自分の軍の兵士の数に対して、敵の数は数倍はあり勝てる見込みはありません。
しかし場所は戦場です。戦わなければなりません。
後がない将軍は覚悟を決めました。
敵陣へ船で進軍し敵地に乗り込むと、船から荷物と兵士をすべて降ろしたあと、何を思ったか自軍が乗ってきた船をすべて焼き払うように兵士に指示をします。
燃え盛る船を前に、将軍は兵士達にこう言うのです。
「我が軍に逃げ道はない。戦って勝つか全滅するかのどちらかだ!生き残りたければ戦って勝て!」
そして、その軍は勝利を収めるのです。
目標や夢がどのようなものであっても、その目標や夢を実現するためには後退するすべての道を閉ざさなくてはいけません。後がないからこそ、人は必死に戦うのです。
先日、サッカー日本代表の試合を見ていました。
何気なく観ていて思ったのですが、その時ピッチに立っていた選手の11人中10人が、国内のJリーグ所属ではなく海外のクラブに所属している選手だったのです。しかも国は様々。
プロスポーツ選手として活動するなら日本国内だって環境はいいし、Jリーグでもレベルアップはできるはず。なのに、なぜみんな海外のクラブに所属するのか不思議でした。
もちろん日本よりサッカーのレベルが高く、自分が強くなるために海外に行くというのも理由の一つでしょうが、船を燃やした将軍と同じ心理なのではないかと考えます。
生まれ育った日本にいれば、もしサッカー選手としてうまくいかなくても他に働くことくらいできそうだな、なんて考えていては夢や目標を叶えることができないと、わかっているから海外に渡っていくのではないでしょうか。
あえて、海外の環境に自分を置くことで退路を断つ。
同じように、なにか夢や目標があるのであれば、あえて自分から追い込んで退路を断つことで夢の実現に一歩近づくことができるのです。