タウンワークのCM、好きです。
すでに5パターンくらいあって、毎回、ダウンタウンの松本さんが、様々な職業に扮して演じています。演じている職業でそれぞれ発するセリフがあるのですが、そのセリフを「バイトするならタウンワーク!」という言葉に置き換えるという、強引で奇妙なCMです。
各パターンともにセットの作り込みも細かくて、リアリティーがある反面、松本さんのキャラと「バイトするならタウンワーク」という、状況とまったく関係ない発言が見てるこちらを惹きつけます。
松本さんの、マジなのか冗談なのか分からない空気感がこのCMのミソです。役にはなりきっていて、言葉の発し方や振る舞いはそれぞれの役そのもので本格的なお芝居なのですが、言ってることは「バイトするならタウンワーク」。芝居なのかコントなのかというところも、妙なアンバランス感が最高です。
そして、2016年の冬からはじまった新しいパターン、将棋編。松本さんが将棋のテレビ解説者に扮しています。
このCMを見て「すごいなー!」って感じたことがありました。
それは、コントなのに、顔はほとんど変装していないところなんです。例えば将棋編でも、将棋の解説者っぽい渋めのスーツを着て、メガネをかけているものの、ヅラは被っておらず金髪の髪で、見た目はほぼ松本さんです。
別のパターンでは、弓道の先生を演じているのですが、衣装こそ袴をきて弓道着なのですが顔はなにもしておらず金髪の松本さんのまま。
コントってその役を演じるために違和感ないようにヅラをかぶったり化粧をしたり、変装してやりますよね。
でも松本さんのままなんです。でも、それぞれの役を演じきっていて役そのものなんです。その違和感が逆に妙な空気感を漂わせています。
以前にも同じことを感じた方がいました。
タモリさんです。
2015年やっていた『ヨルタモリ』という番組内で、タモリさんがコントをやっていたんです。タモリさんの場合はそれぞれの役にあわせてヅラこそかぶっていたものの、トレードマークのサングラスはそのまま。たとえば、女子高生の役をやるときも、おさげのカツラをかぶってはいても、サングラスをしたまま。いや、どこからどう見てもタモさんです。それがまた、演じきってるから女の子なのかおじさんなのか、妙な感じで、おもしろい。
職人芸というか、極めるとこまでいくと、そうなるのか〜。としみじみ芸人さんのすごさを感じてしまいました。