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外貨預金の甘い罠

日本はいま超低金利時代です。

日本で日本円を銀行にお金を預けても年利0.001%しか金利がつきません。
しかし、外貨であればもっと金利がつくものもあります。

 

豪ドルであれば金利が0.3%になることもあります。日本円の300倍です。日本の銀行より金利が高いのだから、日本の銀行に日本円で預けるのではなく、外貨預金をしてたっぷり金利を頂戴する方が美味しい話です。

こういう話を聞いて「日本円で銀行に預けてるのはバカ。時代は外貨預金だぜ」なんて思ってませんか。

単純に、「外貨預金の方が金利がいいから儲かる」なんて考えは要注意です。

 

日本円→豪ドル→日本円シミレーション

まず話をわかりやすくするために、円と豪ドルのレートをスポットレートで1豪ドル=100円と仮定します。

預金の額ですが、100円だけ預金したところでちっとも金利がつきませんので、100万円用意します。100万円=1万豪ドルになりますね。

円の金利が0.001%、豪ドルの金利が0.3%とします。
円を100万円預けると、金利がついて100万10円になります。10円しか金利がつきません…いまどき10円じゃガムも買えません…

豪ドルだと0.3%の金利なので、3,000円分の金利がつきます。金利の違いでこれだけの差が出ます。ここだけ見ると、断然豪ドルで預金した方が圧倒的にお得ですよね。

狙いとしては、「100万円用意して、豪ドルで預金し、0.3%の金利の恩恵を受けて、日本円では10円にしかならないところを、3,000円儲かる」です。

しかし、これは甘い罠です。

 

TTSとTTB

先ほど、1豪ドル=100円としたのは私たちが普段目にするスポットレートでの額です。
銀行で日本円を外貨にするときは、「作成レート(TTS)」というレートで換算されます。TTSで交換が高くなるのは、銀行の手数料分になります。豪ドルの場合TTSは、1豪ドル=102円です。100万円で1万豪ドルになると思ってたのに、銀行で豪ドルに換えるときに。9803豪ドルになってしまいました。

せっかく円を豪ドルに換えたので、金利の恩恵を受けるために豪ドルで1年持っていたました。豪ドルは0.3%の金利なので

9803豪ドル × 0.3% = 29.4豪ドル
合計は9832.4ドル

1年前は9803豪ドルだったのに9832.4豪ドルになりました!金利万歳です。

日本国内で豪ドルは使えないので円に戻します。1年後の為替レートが変わらず1豪ドル=100円とします。
しかし銀行では「解約レート(TTB)」というレートになります。これも銀行の手数料分引かれると考えてください。スポットレートが1ドル=100円だったら、豪ドルの場合TTBは1ドル=98円になります。

9832.4豪ドル × 98円 = 9,635,575円

衝撃です。

金利でもうかると思いきや、100万円用意したのに。96万円になってしまいました。3,000円儲かるどころか、4万円も損してます。

今回は為替レートが一年前と変わっていない前提でした。レートによってはさらに損する可能性も出てきます。ちなみに2018年始めは豪ドル/円は87円〜88円あたりでしたが2019年1月には高くて79円になっています。10円近く下がっています。これでは、金利で儲けるどころか大損です。

外貨で預金をする際は、手数料と為替レートというリスクがあるということをしっかり覚えておきましょ。